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夏の終わりに"真夏の夜のジャズ"

個展も終わり、時間が取れたのでギリギリのセーフ。

断片的には何度も観てる映像だが映画館では初めてだ。

ステージでの生々しい息遣い、観客の汗、ビートが手に取るようだ。

演奏が終わる毎に思わず拍手する自分がいた。

アニタは未だ40歳くらいだが既に貫禄十分な姉御

スウィート・ジョージアブラウン、ティー・フォートゥーの2曲を

バックのコンボを煽り鼓舞して自由自在にテンポを変える。

ジェリー・マリガン(bs)とアート・ファーマー (tp)

アズ・キャッチ・キャンの素晴らしい掛け合いが楽しい。

チコ・ハミルトンクインテットでエリック・ドルフィーが寛いだ

雰囲気ででリハーサル、ステージでもフルートを吹いてる姿が印象的。

セロニアス・モンクは短いがブルーモンクを朴訥に1曲だけをプレイ。

ダイナ・ワシントンはまだ20代だと思うがとてもチャーミング

オール・オブミーを明るく声量たっぷりに歌い上げ

間奏ではビブラフォンのテリー・ギブスとマレットを無邪気に共に叩く

ウィントン・ケリー、マックス・ローチのバックも凄く楽し気で

アットホーム・まるで仲の良い家族みたいで心が和む。

チャック・ベリーは未だヤンチャな兄ちゃん風情で

スウィート・リトゥル16を歌うが、意外にもイケメンでビックリ。

ルイ・サッチモ・アームストロングは持ち味を充分発揮するが中でも

ジャック・ティーガーデンとのロッキン・チェアーの掛け合いが素晴らしい。

私の大好きなホーギー・カーマイケルの曲でもあり歌詞が心に沁みる。

マヘリア・ジャクソンのトリは圧倒的な歌唱で3曲を歌い

ゴスペル・シンガーの本領を発揮する。

最後の主の祈りではパンしたカメラが感動に涙する観客の姿を捉える。

1958年、全編を流れる楽しさ、優しい空気は何だろうか。

良き時代の良き音楽環境、世界が再び訪れる事を願うばかりだ。

1981年ジャズ・イン・ラブリーでのライヴを思い出しながら

久々にアンプに火を灯しアニタのお気に入りLP3枚を聴く。